「いや、恐れ入りました」
「イエそんな」
「アンタ、ホントにバカなんだ……」
「あれ?」
おっかしいな、イビキさんがそうしろって言ったのにとぶつぶつ言いながら首を傾げているイルカの下で、カカシは絶望的に深い溜息を吐いた。
「えっと、ヤラせてくれるんですかくれないんですか、処理係のカカシさん」
「もうお仕事終わりでしょー」
「でもまだ戦地っちゃ戦地にいるワケですし」
帰還の前夜、燃え残ったテントの中で毛布をぐしゃぐしゃにしながら、二人は微妙な攻防を繰り返していた。
「俺、ちゃんと先に手紙渡しましたし!」
「手紙? ああアレか」
カカシがベストのポケットから引っ張り出した紙を見て、イルカがむっと唇を尖らせる。
「読んでないんですか。一生懸命書いたのに」
「ハイハイ、今読みますって。ええと、『前略 はたけカカシ様、今夜お体使わせて下さい。がんばりますのでよろしくお願いします。あらあらかしこ うみのイルカ』、ああーなんかバカを越えたナニカを感じますね、この文面」
「どこに、何を?」
「わかんなかったらいいよ、もう……」
「とにかく俺、興奮してるんです」
ほらね、と腰を擦り付ければ嫌そうに体が捻られる。それを引っ張り伸ばして腹の上に跨り、まだ煙の臭いが強いベストを脱ぎながらイルカは小さな声で訴えた。
「殺すとねえ、興奮しますよねえ」
きらきらと光る黒い目を見上げてカカシは苦笑した。
「平和だなあ、先生は」
「そうですか」
「そんなこと言ってたら、俺なんて年中発情してなきゃならないじゃない」
「え、そうじゃないんですか」
「……やっぱり俺のイメージって、イルカ先生の中では変態なんですね」
「イエ、そんなことは」
「ああもう脱がさない脱がさない!」
だめですか、と首を傾げるイルカの耳は、まだ火に炙られているように赤い。ち、と舌打ちしながら自分のベストをしっかりと握り、カカシはきっぱりと言った。
「だめです。オナニーショーなら見てあげます」
「先っぽだけでも」
「だめー」
「大開脚で?」
「当然でしょ!」
「んー仕方ないなあ」
ええーやるの、と半目になるカカシの上で袖を抜き、イルカはにこりと笑った。
「乳首くらい触ってくれますよね?」
「ハイハイ、わかったからさっさと終わって下さいよー」
はーいと答えてイルカはベルトを外した。
「……ちょっと、それ、俺のベルト」
「あ、すみません、間違えました」
「……ちょっと、それ、俺のだって!」
「あ、すみません、目の前にあったもんで」
きゅ、と根元を握ってイルカはまた笑う。
「立っちゃいました、ね!」
「ね、じゃないです」
「えーとこうして先っぽ同士を」
「合わせなくていいから!」
腰をにじらして服を脱ぎ捨てると両膝を立て、二つの性器をぴったり寄り添わせたイルカはふうっと息を吐いて目を閉じた。わずかに眉を顰め、二本を手に収めて擦り上げる。
「イルカ先生」
カカシが呼ぶと、イルカはぼんやり目を開けた。黒目がランプの火を生々しく反射している。
「俺、ホントにイルカ先生とやりたくないんです」
カカシは両手を伸ばしてイルカの手首を握った。横一文字の傷跡が緩やかに傾きわずかに瞳が細くなる。
「奇遇ですね。俺もカカシさんとやりたくない」
「イルカ先生」
「あなたなんかと、したくない」
イルカの指が離れるとカカシの指もまた解ける。その手を取って一方を胸に、もう一方を自分の性器に押し当て、イルカは眉を顰めたまま唇の端を上げた。
「触ってくれるんですよね?」
仄赤い灯りの元、幾つかの古い傷が白く翳る胸にカカシの指が触れる。
「嫌、なんですよ」
「俺もですって」
そうっと撫で上げる指先が乳首を押し潰して止まり、瞬きを繰り返す黒い目が灯りの色に染まる。
「でも」
顎を上げ、イルカはカカシの性器に指を絡めた。先端から零れ始めた粘液を塗り込めるようにゆるゆると扱けば、カカシの手のひらも言葉とは逆に、熱心にイルカを撫で上げる。
「殺しちゃったし」
大きく足を広げて呟く。蜂蜜色の肌は赤味を帯びている。
「俺、こんなだし」
空いた手をしゃぶりながら見下ろせば、カカシは不愉快そうに目を細めて乳首に爪を立てた。
「ん……」
黒髪がふるりと揺れ、唾液にまみれた指が口から引きずり出される。広げた足の間、溢れる先走りが伝い落ちている場所に濡れた指先が触れた。
「次、どうしますか」
「両手でやって」
互いに性器から手を離した。カカシに太股を掴まれて固定されたイルカは、人差し指を二本、狭い穴に押し込んだ。
「カカシさん、判定は?」
「え、何?」
ぬるぬると指を出し入れしながらイルカは深く呼吸する。
「コレやったら判定してあげるって言ってたでしょう。俺、可愛い方ですかグロい方ですか?」
そうだったっけと言いながら、カカシは震えている性器をじっと観察した。
「わりと可愛い方かな」
「へえ」
「先っぽがすごく丸い感じ」
「子供っぽいってことですか?」
「イーエとんでもない」
「良かった。ポーチ取って下さい」
小道具入れを手繰り寄せてやると、イルカは丸い容器を取り出し、クリーム状の薬を指に取り、腰を浮かせた。
「……ちょっと、イルカ先生」
「いいじゃないですか」
「嫌ですって」
クリームを内部に塗りながらイルカは囁く。
「入れさせてあげますから、ね?」
「当り前でしょ!」
「あっ、やる気になりましたね!」
体を起こそうとするカカシの胸を押し、口布に噛み付くと顎の下まで降ろす。
「そうじゃなくて、立場の問題であってですね、」
「カカシさん」
舌先が少し迷うように泳いだ後、白い頬を舐めた。
「俺だって嫌なんです」
銀髪の散る首筋に顔を突っ伏し、イルカは悲しげに言った。
「でもカカシさん、俺、表立ってはカカシさんにハメられまくってる話になってて、でもカカシさんはイビキさんとハメまくってて俺を相手にしてくんなくって。なんだか俺だけすごく損してません?」
「よくわからないんだけどね、そもそもアンタ、俺とするのは嫌なんでしょ?」
「俺、したくないですよ、カカシさんとなんか」
「だったらやめましょーよ」
「俺としたくないカカシさん、なんかと、したくない」
「……ん?」
カカシは宙に視線を投げた。右の黒目がうろうろとまぶたの端あたりを左右し、そうだよな、とつぶやいた後に額当てを外した。その意味の掴めない姿に眉を潜め、イルカは動きを止める。
「あの、カカシさん?」
赤いガラスのような透明度の高い瞳がゆるりと回っている。写輪眼の活動をまじまじと見つめながら、イルカはカカシの胸を揺すぶった。
「どうしたんですかカカシさん?」
くるりと最後の回転を終え、カカシはイルカと視線を合わせた。
「俺じゃないよ」
「は?」
「最初にやりたくないって言ったの、イルカ先生だ」
その言葉にイルカは何度か瞬きをした。
「ほら、俺がイルカ先生のオトコになるってことにしたらどうかって提案した時。寝たくないって言ったの、イルカ先生が先です。間違いないです」
憮然と語る上忍は唇を尖らせている。
「……それで、写輪眼を使ったんですか」
「コレは確実ですから。念のために確認しました。はっきり覚えてますけどね」
「はっきり?」
「あのね」
カカシは落胆するように一瞬目を閉じてから、イルカをぎろりと睨んだ。
「だってイルカ先生、ちらっとも本気にしてくれなかったじゃない。だから俺悔しくて、同じことを言ったんだ。『アンタなんかと寝たくない』って」
小さい声でそう告げ、カカシは横を向いた。その胸に手を置いてイルカは動かず、天幕の隙間から吹き込んだ風がちらちらとランプの火を揺らして二人の影を伸ばす。
「カカシさん」
探るような呟きに、視線を逸らしたままカカシは、何、と唸った。
「じゃあホントは俺と寝たいんですね!」
「……あれ?」
ぱっと笑顔になったイルカにカカシはぼやけた声を出した。
「俺、嬉しいです!」
「あ、あれ? なんか話が逸れ……、ちょっあーっ待って!」
「じっとしてないと折れますよ!」
がしりと根元を掴み、イルカはその上に尻を宛がった。制止の手がイルカの腰に触れる前に先端が肉にめり込む。あああ、と情け無い声と共に、カカシの性器はじりじりとイルカの中に埋まり、付け根まで収めると顎を上げたイルカは唇の先で笑った。
「ふ、くく、やった!」
「……最悪」
両手を広げて脱力するカカシの上で、イルカは腰をにじらせながらきらきらと目を光らせた。
「俺、強姦したの初めてです!」
「そんな嬉しそうに言われてもね……」
「みなさん楽しそうだったんで、一度やってみたかったんですよねー」
「あ、頭悪過ぎ……」
動いて下さいよと腹を叩かれ、カカシはうっと喉を詰まらせた。
「ね、もう諦めて」
熱い粘膜がぎちりと締め付ける。もう一度息を止めたカカシは弓形に目を細めた。そろりと両手が腰骨に触れ、それに応えるように足が開いて結合部が顕になる。
「淫乱」
「今更」
勝ち誇ったように笑うイルカが手を差し出し、白い胸の真ん中から傷の走る頬までするりと撫で上げる。その指先を舌で絡め取って辿り上げ、身を起こしたカカシは乱暴に首筋を吸いながら思い切り突き上げた。
「あ、っあーっ!」
途端に背骨が反れ、カカシの首に腕が縋り付く。
「うわー反応速い」
「あ、あ、あう、あっ!」
「したくないって言ったくせに」
ぐちゃぐちゃとクリームを溶かしながらイルカを横たえる。
「ふ、ふあっ、あ、カカ、シさ、」
人格が入れ替わったようにイルカは速やかに快感に埋没していく。深く挿入して回すように掻き混ぜながら膝の裏を掴んで広げた途端、ひいっと掠れた声が上がって硬直した肉が白濁を撒き散らした。
「……ちょっと、顔射はないでしょ」
カカシは頬に飛び散った精液を指で拭い、ぐいっと唇に塗りつけた。真っ赤に充血した舌がぬるりとそれを絡め取る。
「あ、は……い、い、」
恍惚と声を漏らしてイルカは微笑む。
「そんなに?」
入るだけ捻じ込んで抜け掛けるまで引き出す。繰り返す動きにイルカの腰も揺れ始め、肉が擦れる音が大きくなる。
「あ、あ、あ、あ、あ」
揺らされる度にイルカは喘いだ。喘ぐごとにスイッチが入るように、肌の湿りが増し粘膜が蠢きイルカの全てがカカシに吸い付いていく。指先が髪を掻き毟り、肩に乗ったふくらはぎが堅く筋張った。
「ああああ、あ、ひっいっいいっカカシ、さ、」
「オカシイよ、あんた」
揺らしながら顔を歪ませ、カカシは呟く。
「すごくイイ、どうなってんの」
中の熱さにとろけたように、とうとう性器がずるりと抜ける。ダメ、と叫んで首筋に爪が立ち、すぐに押し込もうとしたカカシはふと頬を緩めた。
「イルカ先生」
「あ、ああ、カ、入れ、」
ぼたぼたと落ちるカカシの汗を受けてぬめる乳首を摘んできつく揉む。びくつく体は必死に腰を擦り付け、入れて入れてとうなされる。
「俺がいくまで、いかずにいられる?」
ぶるぶる震えながらイルカは何度も頷いた。
「そうじゃないとやめるよ」
焦点の合わない目が一粒涙を零す。
「おねが、あ、い、かな、い、から」
「じゃあ握って」
縋り付く手を引き剥がし、二人の間で透明な液体を滴らせて熱を発する肉を掴ませる。
「離したら、止めるよ?」
殊更にゆっくりと挿入する。あっあっと全身を震わせるイルカの中を満たすとカカシは強く目を瞑った。さっきよりも熱く狭く、飲み込む動きは気味が悪い程だ。
「やっぱりこれ、強姦だ……」
ちくしょう、と叩きつける動きに逆らうように、尻を振り立て緩く開いた唇から唾液を垂らしながら、うっうっと苦痛に近い声でイルカは絶頂に耐えている。
「ひ、あ」
いかせて、と滅茶苦茶に頭を振る耳元でだめですと囁き、手を重ねて根元を押さえる。ねっとりとした抜き差しに変えるとイルカは目を見開いた。
「う、うううううああああっ」
「あー、俺もダメ、かな……」
手を離して深くえぐる。背中を丸めるカカシの下で長い悲鳴を漏らし爪先を攣らせてイルカは達した。出し終わった直後に強い痙攣に締め上げられ、カカシはあっと声を漏らして硬直した。
「く……」
そろそろと引き抜きながらもまだ喘いで苦笑する。力を失った体を横たえてやり、喉まで響く心音を聞きながらカカシも毛布の上に体を投げ出した。呼吸音だけが響く沈黙が長く続き、やがてそれは溜息に変わった。
「ヤられちゃった」
呆然と仰向けに倒れている人に言えば、はあ、と気の抜けた声が返る。
「なんかひどいよ、イルカ先生」
ふうっと熱い息を吹きかける薄い唇に、疲れ果てた様子の目が向けられた。
「俺は……悪くない、です」
「ハイハイ」
何度も瞬きを繰り返し、徐々にイルカの目が現実に戻ってくる。
「だって、寝ちゃったら」
「ハイ?」
「他の人と同じに、なるでしょう」
「はあ、それで?」
だらしなく開いたままの足を閉じてやり、カカシはうつ伏せて両手で頬杖を突いた。
「だって俺を助けてくれたの、カカシさんだけだったから。だから特別にしておきたいって」
視線が合った。
「でも今は誰ともしてないから、ヤる方が特別なんです」
大仕事のように苦労してカカシと同じ姿勢になり、イルカは呟くように言った。じりり、と火の燃える音がしんとした天幕の中に良く聞こえた。
「ナニソレ」
ぷっと吹き出すカカシに一気に顔を赤くし、イルカは怒鳴った。
「ひ、ひどっ! すごい告白したんですよ、今!」
「何言ってんの、さっきの俺のは、ぺろっと流したくせに」
「は? 何を? 何か言いましたっけ?」
「……いいよ、わからなかったら」
うつ伏せたままイルカににじり寄り、顔を傾ける。唇が触れ合う寸前、イルカはぎくりと体を強張らせて顔を仰け反らせた。
「あっ、何避けてんですか!」
「へ、変なことされそうになった!」
「はあ? キス、キスでしょ!」
「ぎいやあ、恥ずかしい、恥ずかしい人がいる!」
「ちょっと、あんたね」
ごろりと転がって逃げ、イルカはあははと笑った。
「そんな、困ります!」
「なんなんですか、あんた」
「だって、キス、なんて!」
俺何年もしてないよ、と腹を押さえて笑う。
「イルカ先生ー」
「は、ハイ、ハ、あはははは!」
「両思いじゃないの、キスしましょう」
真顔のカカシに気付いて慌てて口を閉じようとする。が、失敗してイルカは両手で口を押さえた。
「ぐふっ」
「……」
「す、すみません、り、両思いって、うぐうふふ」
「ひどい……。違うっての? 俺って振られっぱなし?」
「イエ、そんなことは」
ようやく笑いを収め、はあっと深呼吸した。
「いいですよ、しましょう」
「……もういいです。一生しません」
「あれ、待って下さいよ」
背を向けて寝転ぶカカシを揺すってイルカは肩の上から顔を覗き込んだ。
「ほらほら、どうぞ」
ふてくされた顔で振り返り、突き出されているとんがった唇を半目で眺めてカカシは小さく溜息を吐いた。
「じゃあ、目を閉じて」
「ぐふ」
「やめて、それ」
「だって、目を閉じて、だって!」
「……」
「すみませんすみません」
「……もう、何も言わないで下さい」
はーい、と閉じた唇を見上げながら体を起こし、イルカも引っ張り上げて向き合った。まだ頬を引き攣らせている顔にしかめっ面を寄せ、カカシはそっと口付けを落とした。
「うっぐ、し、しちゃった!」
「……黙れ中忍」
また転がって笑い出したイルカに唸り、カカシは前途多難という文字を頭一杯に思い浮かべた。
職員室だと聞いたので、カカシはまずそこを覗いた。
「こんばんは。飯食いませんか」
「あー。もうちょっとですもうちょっと」
相変わらず書類が山になっている机に向かい、イルカは紙に何かを書き付けている。
「腹減りましたよ」
「俺もです」
隣の机の上に座ってぶらぶらと足を揺らし、カカシは汚れた天井を眺めている。それを見上げ、イルカは威勢良く括り上げた黒髪をひょこりと揺らした。
「カカシさん、最近暇なんですか?」
「んー? なんで」
「前より頻繁に誘いに来るじゃないですか。仕事やってます? 何かヘマして任務減らされてんじゃないでしょうね」
「ええとね、イルカ先生」
カカシは机から降りるとがくりと肩を落とした。
「俺達めでたくニクタイカンケイになりましたよね? それってお付き合いしてるってことですよね? 俺はそういう人とは里にいる時くらい一緒に飯食いたいんですよ、わかる?」
「まあ、そういうことになってますから。お疲れ様です」
「……バカー!」
「もう言い飽きましたけど、失礼なんですよ、あんた」
ああもうどうしてくれようと髪を掻き毟るカカシをちらりと眺め、イルカは書き終わった紙を畳んで差し出した。
「どうぞ」
「……今日の分ですか」
「ハイ、親しき仲にも礼儀あり、です」
「えー、『前略 はたけカカシ様、今晩お暇でしたら合体しませんか。いつも通りにがんばりますのでよろしくお願いします。 草々 うみのイルカ』ああーちょっとだけ、ちょっとだけマシかなあ!」
「伊達に教師はやってませんよ!」
「それとも俺がバカになってきたのか……」
「じゃあ行きましょうか」
「はあ……」
とぼとぼと先に立つカカシの背にぺろりと舌を出し、イルカは満面の笑みを浮かべた。待たされた分いじめてやる、徹底的にいじめて、可愛がってやる。そう唇が動いた。
「何か言いました? イルカ先生」
「イエ、特には」
「なんかね、アヤシイね」
「そうですか?」
「あんたすごい笑顔だよ」
「土手鍋が待ってますから!」
「ああそう……土手鍋ね……」
「ぐふ」
「やっぱりその目がイヤラシイ」
「あなたに言われたくないです」
「ハイハイ、どうせボカシ入ってますよ、俺は」
前を向いたままの口布の下、もそもそとカカシは呟く。バカでアヤシイあんたはもう俺のもの。絶対離してやるもんか。
「何か言いました? カカシさん」
「いーえ、なあんにも!」
アカデミーを出る二人はもう、友人ではない何かだ。
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