「ど、どうしたんだ、御手洗! 終に君にも春が来たのか!?」
「……君にはやっぱりメモリ増設が必要だね」
「なんだよ、なんだよ、どこのコだよ!」
「そこの公園の向かいの家に新しく来たコだよ」
「新しく!? 養女とか? 複雑だねえ!」
「まあ、養女みたいなものかな」
「あっ! もしかして若奥さん!? 不倫はだめだよー」
「僕が愛する女性は犬だけだああ!」
「……そうだったね」
「彼女は僕をみると、尻尾を振って飛びついてくるんだ。あのしなやかな体つき、ふわふわの毛皮、もう、想像するだけでこう、鳥肌が立つね! それに彼女はとっても賢いんだよ。僕が君の服を着こんで変装しても、一目で見抜いてしまうんだ」
「そういや、このごろ僕の服にいっぱい白い毛がついてるんだよね……」
「ねえ、石岡くん、君、交替しないかい? ミエコの実家は気前がいいから、いっぱいお肉が食べられるよ!」
「ひっ酷い! 僕はやっぱり犬以下!? ドッグフードの箱なのか!?」
「犬と比べられるものなんてない!」
「はあああ! 御手洗こそ出て行けよ! 僕だってここで里美ちゃんと暮らしたいよ!」
「全く低俗だよ、女子大生なんて。君にとってはアイドルと同じような手の届かな、」
「あー分かった! 分かったよ! 今日の晩御飯は菜の花ご飯とたけのこのお吸い物に、粕漬けのサワラを焼こうと思っていたけど、実家に帰らせてもらいますッ!」
「あ、いや、石岡くん、君以上のパートナーはいないよ、僕が悪かったよ」
「いつもそうやって誤魔化して! 僕はバカじゃないよ!」
「そういいながら、キッチンに米を研ぎに行く君が好きだよ

「こっ今度匿名で、ものごっついキッツイやおい小説書いて、里美ちゃんのサークルに送ってやるっ! そうだ、竹越刑事とカップリングして、もちろん御手洗が受けだー!」
「今すぐ、今すぐ遠くに行ってやるー!」
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