「ど、どうしたんだ、御手洗! 君を苦しませるものがこの世にあるっていうのか!?」
「……君にはやっぱりバージョンアップが必要だよ」
「そんなことはどうでもいいんだい! 何なの?」
「いやね、最近の若者の事だよ」
「へえ。君がそんなオヤジ臭いことを言うなんてね(にやり)」
「君ほどじゃないよ(にやり)」
「だからなんなのっ!?」
「彼らはいつも座っている」
「……」
「駅でも道路でも電車の床でも」
「……君だって同じようなものじゃない」
「のんのん、違う違う。僕は同じように地面に座る仲間である、金に縛られない自由人を襲ったりしない」
「……?」
「少しは脳を使いたまえ、ホームレスの皆さんのことさ」
「使えば減るって言うくせに。オヤジ狩りとかいうやつのこと?」
「……ちょっと違うよ。まあいい、君に正確を求めることはしないよ」
「続きを語れよ!」
「僕らには様々な人生があって地面に座っているんだ。若者だってそうさ。なぜホームレスのみんなが襲われて若者は安泰なんだろう。自分が強者だと認識したいが故に、社会的弱者を標的にする、そんな真の弱者ばかりを生み出すようなこの国に、僕はほとほと愛想が尽きたよ」
「大丈夫だよ、やおいが流行ってるから、その内みんな襲われるよ

「……」
「最近の若いコは骨格が華奢で可愛いもんね。まあ、人のことは言えないけどさ」
「……そういうことは他で言わないようにね」
「? 御手洗、お茶にしようよ。近所に新しく出来たケーキ屋で色々仕入れてきたんだよ」
「……頂くよ。うんと甘いのが欲しいな……」
「じゃあ、ロイヤルブルーハワイ・ア・ラ・抹茶ラズベリー・デラックスタルトレットがいいかなあ」
「FSSを思い出すなあ。そのケーキ屋にはもう行かない方がいいと思うぜ……(胸焼け)」
「美味しそうだよー!(キッチンから)」
「……遠くに行きたい……」
その他 TOP