ですから

けいき「主上」
ようこ「なんだ」
けいき「主上(泣)」
ようこ「泣きを入れても私は面倒見切れない。溜息を吐きたいなら幾らでも吐け。
    許す。今日は溜息祭だ。これは勅命である」
けいき「そんな祭は春官が認めません」
ようこ「じゃあ、ふたりだけのひ・み・つ」
けいき「(無視)いい加減に冗裕を返して下さい」
ようこ「くれると言ったのはおまえだろう」
けいき「貸しただけですって」
ようこ「おまえの物は私のもの、そうだろう?(やさしーく)」
けいき「そ、それはもちろん、私の命すらアナタのものですっ!!(熱)」
ようこ「それはいらん。もらった途端に私が死ぬし」
けいき「(泣)というより、命以外、私はなんにも持ってやしませんが」
ようこ「……女怪が泣いているぞ」
けいき「コレは一心同体ですので持っているとかいうのじゃなくて」
ようこ「今度は喜んでるな」
けいき「それは置いといて」
ようこ「そんなに冗裕が好きなのか!? ばかやろー!」
けいき「なぜ逆ギレ?」
ようこ「冗裕は私のものだっ! ヤツもおまえより私がスキだ!」
けいき「は……」
ようこ「おまえの立ち入る隙などないっ!! なにせふたりっきりで半年も
    暮らしたんだからなっ」
けいき「まだ恨んでいらっしゃいますか……?」
ようこ「骨の髄まで」
けいき「見ごたえあるドラマでしたよね」
ようこ「全くだ、って違う! いいか! おまえも私のものだっ!
    よって三角関係は成り立たん!」
けいき「は……」
ようこ「三角関係とは相互に関係があって初めて成り立つものと考えよ!
    おまえと冗裕には何か起こすよーな関係は持たせない!
    これは勅命であーる!」
けいき「なんでも勅命にすりゃいいと思っていませんか。
    それより三角関係の定義がちょっと……。
    それじゃ、必ず誰かがホモセクシャルでないとだめだってことに」
ようこ「うるさーい! おまえはいっつも難しいことを言って誤魔化す!」
けいき「非常に簡単なんですが……。DHAかカルシウムが
    足りないんじゃないですか?」
ようこ「それで私を愛しているとでも言っているつもりか!」
けいき「愛していますとも!」
ようこ「うっ、そうきたか」
けいき「そりゃもう、アナタの骨髄液まで愛してます!」
ようこ「髄にこだわるな!」
けいき「我儘言わないで、さっさと冗裕を返して下さいっ! 要るんです!
    最近班渠が反抗期で……」
ようこ「だめっ!」
けいき「まっまさか、主上、冗裕を愛して……? ヤツはいずれ私を
    食べるんですよ!? 私よりそんなのを選ぶんですか!?
    私への愛はもう消えておしまいですか!」
ようこ「小難しいこと言うな。また今度にしよう、ね?
    イイコだから。(なでなで)」
けいき「ああう……分りました……。今日はこの辺りで失礼します……」
ようこ「仁重殿まで手を繋いで行ってあげようか?(にやり)」
けいき「けっけっ結構ですッ!(走り去り)」
ようこ「扱い方が段々分ってきたぞ。ふふふふ」
けいき「(遠くの方で)ちょっと惜しかったかも……」







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